DIME誌掲載裏話

 小学館のトレンド情報誌「DIME」の記者(ライター)の取材を受け、連載コーナー「課長の宝物」に紹介されることになった。

 このコーナーは、ビジネスマンと個人生活の社外ネットワークの両面を持っている人のライフスタイルを、モノを通して紹介するもの。すでに12回にわたり、そうそうたる一流企業の部課長さんの、モーターボート・レースカー・楽器・馬・山小屋・クワガタ・車掌服といった「宝物」が登場している。そういう人を探すのも大変なようで、小生は「上場企業の課長」という条件からは外れるものの、会社と奇術サークルの両面活動(二股ともいう?)が認められて採用となった。

 「宝物」といっても金額ではなく当人の思い入れということなので、候補としていくつか道具を見てもらった。道具としては、自分で工夫した手作りのものの方が、心情的には「宝物」なのだが、 結局、絵になるということでシルバーカップが採用となった。いってみればただのカップなのだが、なかなかに手間をかけて撮影していただいた。手作りのジャンボカードがさり気なくカップに写り込み、ボールの消失(出現?)も1枚の写真に表現するという凝りようには、脱帽。これで、これまでシリーズで紹介された高価な宝物になんとか肩を並べられるのではないかと思う。

 紹介記事のほうもよくまとめていただいた。(いささかネタばらしのところはあるものの。)一つだけ、紙面の都合とは思うが、高木重朗氏に計り知れないご恩を賜わった点が記事から落ちてしまった。この場で補足しておきたい。記事にもある「四つ玉からの事始め」も、高木先生の発案とご指導によるものだ。

 ひるがえって、奇術マニアとしての私の宝は何かといえば、その「四つ玉」に始まるノートであり、またMMCの講義録であり、さらに言えば高木先生に教わった「奇術を楽しむ心」こそが最高の宝物なのだと思う。シルバーカップはそういうことの一つのシンボルということで納得したい(いささかこじつけだが)。

 さて、「課長の宝物」はDIME誌の巻末手前のページなので、見かけたらご覧ください。12月2日号です。なお、そうと分かっていてもページがくっついてスキップしやすいので、注意してめくることをすすめます。正直、私も以前買った同誌でこのコーナーをめくり飛ばしていたことに気付きました。

本日の格言:DIMEは後ろから、よくめくって読みましょう。  (1999.11.19)


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