La rousette 4 ツリーハウスに泊まる

la rousetteは木の上の小屋 目が覚めると雨だった。しょうがないので寝る。再び目が覚めた朝9時30分にはだいたい雨はあがって、木からしずくが屋根にしたたり落ちる音が大きい。しかしその後も雨は小降りになったり激しくなったりの繰り返しで、昨日とは違って、窓の外も小鳥が全然来ない。小屋の名前になっているオオミカドバトの声がするばかりだ。気温は17℃、真夏の日本に体が慣れているので、寝袋にもぐり込みたくなる。

 お昼頃になって、しょうがないので荷物をまとめて鍵を返しに行く。今日8月15日は祭日なので、レストランは満員で、大きなチーズの固まりをテーブルにおいて溶かしぽたぽたと垂れてくるしずくを野菜につけて食べるラクレットが人気だ。

チェックアウトは13時で、今夜の宿 La rousette に入れるのは16時なので、その間、今夜の買い出しにいく。祭日のせいか閉まっているお店が多い。雑貨屋さんがあいていたがお店の人には英語は全く通じない。今夜の食料や水を仕入れて、お昼ご飯も買う。インディカ米を炊いたものに、鳥の煮込みをかけてパックに入って売られている。セイシェルでも似たようなものをよく見かけたが、伝統的には米を食べてなかった人たちが米料理を考えるとこうなるのだろう。ただセイシェルもそうだがここニューカレドニアでも、米を育てているところを見かけない。ということは米食になると輸入に依存しなければならなってしまうのだが。

 La rousette はレストランからたっぷり30分はかかった。林道に小屋の入り口を示す看板があり、ここから先は急な山道を登らなければならなくて大変だが、それだけの価値はある。山の斜面に突如姿をあらわしたツリーハウスは、直径2m以上はあろうかというhoup treeの大きな枯木を切った上に立っている。枝の一本は、部屋の中を柱のように通っている。小さい頃カエデの二股とか、滑り台の頂上部に自分だけのスペースを作って、トムソーヤにでもなったような空想にふけったことはないだろうか。地上15mにある小屋は、そんな夢を実現させてくれる。立派な階段が螺旋状に幹を回って昇っている。小屋は全体で6畳間ほどで歩き回ると揺れるが、食卓や二段ベッドやトイレやミニ台所など一応設備は揃っている。窓が広くて外には木性シダや常緑樹の木々の鬱蒼とした樹冠が見える。ロンリープラネットのガイドブックを見ると太陽発電で電気もあったらしいが、現在は壊れている。幸いにしてここには立派なろうそくが置いてあったので、10分おきにバースディケーキろうそくを取り替えなくてすむ。すばらしくロマンティックなのだが、相変わらず大雨がやまず、夕食を作って食べたら後は寝るだけだ。

 よくよく天気には見放されたようで翌朝も雨、気温は12.8℃と更に寒く寝袋から出るのがおっくうだ。カグーが鳴いたような気がすると夫が言ったが定かではない。オオミカドバトはよく鳴く。時々晴れ間が出るのだが、すぐにまた大雨となる。11時半頃ほとんど雨が上がったので出発することにした。小笠原で林の中にテーブルが点在する喫茶店に入ったことがあるが、夕暮れ時にオオコウモリでも見られたら楽しいだろうなと思ったものだ。ツリーハウスもオオコウモリ生息地にいつか建ててみたい夢の宿である。しかし雨のせいか La rousette には会えなかった。

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