特殊地下壕に生息する洞穴性コウモリ類の保護に関する要望

 On April 9 in 2005 four junior high school students died of carbon monoxide poisoning at the site of a former air-raid shelter in Kagoshima as they burn a bonfire. This has created a wave of government negligence bashing of care and custody regarding former shelters nationwide. After the incident many local governments started to cover up abandoned mines, tunnels and underground shelters. But these are valuable roost sites for cave dwelling bats and some have historic value. BSCJ presented the petition below to preserve shelters as bat roosts and historic assets towards municipalities and proposed installation of bat gates.


*An article about bat gate from Asahi Shinbun newspaper Kyushu edition on August 25, 2005 (244KB、jpeg)

 防空壕や地下軍需工場跡などのいわゆる戦争遺跡は、貴重な歴史遺産であるとともに、それらの一部はコウモリ類の貴重な生息地となっています。これらのコウモリは夜間飛翔する昆虫類の捕食者として重要な生態的地位を占め、農林業や衛生上の害虫などを捕食する有益な動物でもあります。コウモリが利用している地下壕などの人工洞穴の消失は、彼らにとって重要な休息場所や哺育場所、冬眠場所を失うことを意味し、その存続にとって致命的です。
 もちろん、本会も地下壕の安全対策を講じることに異論はありません。落盤や陥没の危険性が高いところでは、住民の安全を第一に考え、埋め戻しも必要でしょう。しかし、コウモリの生息が確認された地下壕については、安全性に配慮しながら保存管理の方向で検討できないものでしょうか。例えば、コウモリが生息しているが、人が入ると危険であると判断されるケースについては、入口に看板を立てて危険性を表示するか、「人は入れないがコウモリは通過できる柵」の設置も考えられます。このような柵はバット・ゲートと呼ばれ、各地で人の侵入防止とコウモリ類の保護に効果を上げています。材料や設置方法によっては十分な強度や耐久性があることも確認されています。
 よって本会は、地下壕の安全対策を講じるにあたっては、土砂やコンクリートによる埋め戻しや入口の完全閉鎖ではなく、可能な限りコウモリも利用できる形での対策を各自治体に要望いたします。
 
 要望書と資料を下記からダウンロードできるようにしました。コウモリの会会員の 皆さん、ならびにこの問題に興味をもってくださった皆さんが、地元の自治体に持っ て行かれ、コウモリの生息する地下壕の埋め戻しの再検討をお願いしてくだされば幸 いです。よろしくお願いいたします。
 

1.コウモリの会の各市町村宛要望書(26KB、リッチテキスト)
2.コウモリの会組織の案内(20KB、リッチテキスト)
3.バットゲートの写真資料(164KB、PDF)
4.バットゲートの文章資料(20KB、リッチテキスト)

●要望書は日付欄、宛先市町村名が入っておりませんので、各自でご記入願います。
●連絡先は、お話に行かれるご本人のものをご記入いただければと存じます。
●要望書を提出される方は、下記メールアドレスにご連絡ください。


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