流星課長ロケ
 ひょんな事から、あのしりあがり寿氏原作の「流星課長」の実写ビデオにかかわることになってしまいました!
それっていったい、どういうこと?


 事の起こりは、宇宙作家クラブMLに、GAINAXの武田氏からエキストラ急募のお知らせが来たことに始まる。
なんでも、「あのしりあがり寿氏の流星課長の実写ビデオを撮影するために、舞台となる満員通勤電車とラッシュのための エキストラがたりない。」ということで、八方からエキストラを集めているとのこと。
そして、そのロケ場所を見てびっくり。 なんと、

八王子こども科学館
だそうじゃないですか! ウチの近所だ!
しかも、監督はあの庵野秀明氏である!


 という訳で、「近所でそんな面白いことが行われているのに、みすみす逃す事はない。」ということで、軽い気持ちでエキストラ応募 したわけです。 ロケは全部で5日あり、うち3日が八王子のロケ。ロケは朝8時20分〜夕7時(初日だけ朝10時)となっていて、 私も時間はあるので「この3日ならいつでもいい」旨の返答をしたら、なんと3日間出てくれって返事が。

 そうして、恐る恐る現場に行ってみると・・・・・

ロケに使用した、駐車場にある地下鉄車両

暗幕がけなど準備するスタッフ

打ち合わせする庵野監督とスタッフ
 エキストラは金曜日の終電に乗り込む酔っ払いサラリーマンという設定なので、久しく着なかった背広とコートにを着こんで 現地に到着。見ると、ロケ用車両は暗幕に覆われるところだった。うーん、なんだか本当にここでロケするみたいだ。
おりからの小雨の中、寒さに震えながら科学館前にある公園に赴くと、すでに20名ほどの人がたむろしている。
 私も作家クラブ定例会のメンバーやGAINAX社長の武田氏はわかるのだけれど、業界の面子はさっぱりわからない。 でも、なんとなくそれらしいたたずまいをしている人々ばかり。
 さらに、15名ほどの人影が近づいてくる。どうも、東映や劇団の関係者のようだ。よくTVで見かける顔もある。そりゃそうだよな、 いくら満員電車とはいえ、乗客がすべてエキストラだと不安があるよなぁ。

 さて、この制作情報はGAINAXのホームページの「庵野秀明公式Webサイト」に掲載されている。
今回の作品は10分程度のビデオ作品で、DVDマガジン「グラスホッパー!」VOL.3(2002年3月末発売予定)に収録されることになるとのこと。
流星課長
松尾スズキ
自動ドアのマリア
小日向しえ
脚本・監督
庵野秀明
演出補・絵コンテ
摩砂雪
プロデューサー
南里 幸(シネバザール)
しかし、監督が庵野氏だから、いったいどんな感じに仕上がるのだろうか・・・・


初日
 まずはいきなりラッシュ時に乗客が席取りのために車両内に駆け込むシーンから。
とにかく、人数が居るときにモブシーンは撮影しておこうということで、不安定な足場に50名ほどの人間がのって待機。合図と共にドアをこじあけて、 なだれ打つように車両内へラッシュ! リハーサル無しの一発取りの割には、なんてみんな真剣なんだ! いきなり迫真のラッシュ状態に、 エキストラ自身もちょっと唖然。
「すげーや、みんな本気だよ。」
という声もちらほら。それもそのはず、大半の人間が毎日こんなラッシュを経験しているのだから。
どのくらい本気かというと、私のサングラスのレンズが片方外れてしまった、というぐらい本気。

 そして、いよいよ流星課長役の松尾スズキ氏登場。原作が原作なだけに、撮影では色々特殊効果(っていっても大したもんじゃないんですが)が必要となる。
いやぁ、役者って大変だぁ。
 こうして、1日目は午後6時半まで、昼食以外は休み無しでロケが行われた。

2日目
 2日目は朝早いので、自転車にて現場に向かう。やっぱり寒い公園で待っていると、昨日の東映や劇団の方々が集まってくる。
ところが、昨日あれだけいたエキストラがだれも居ないじゃん!
えぇ!?もしかしてエキストラはオレだけ!?
・・・・なんか、言い知れぬ不安感をいだきつつ、2日目のロケが始まった。
 2日目には、松尾氏のほかに、ヒロインであるマリア役の小日向しえさんも参加する。イメージは流星課長のマンガによく似てるなァ。
で、ここで少しネタバレ・・・というか、原作見れば判るんだけれど、この「自動ドアのマリア」はその色気で自動的に席を確保する。
そのため、お尻を突き出して左右にプリプリするシーンがあるのだけれど、これを何回かリテークしながらの撮影。
 やはり、この辺が映像的にも「見せる」シーンだけあって、庵野監督の気合も違う。大変だなァ女優さんも。

 ところが! さらに大変なシーンの撮影も行われた。 このマリアは、流星課長との対決の為に網棚を移動するんだけれど、そのシーンも 実際に小日向さんが「網棚に乗って」撮影するのだ。 脚立にて悪戦苦闘しながら網棚によじ登る小日向さん。
 マリアの格好は、赤いブラウスに黒い革のタイトスカートに網タイツという、「なるほど〜」といったいでたちなんですが、その格好で 網棚によじ登るのですから、下着がよく見えるアングルになる。 もちろん、撮影用にアンダースコート履いているんですが・・・・
ちょうどその時の私の配置位置は、マリアの足元のドア付近だったんだよなぁ・・・・
「いやァ、眼福眼福。」

3日目
 さすがに少し慣れて来た3日目、前日の撮り残し&リテークを消化しつつ撮影は進む。
撮影用のカメラは、私も持ってるデジカムを使っていた。ものがDVDだし、こういうカメラでも十分な画像が撮れるのだろう。
カメラそのものには大した工夫はないけど(広角アダプタがついてるくらい)、撮影は大変だ。なにしろ、車両内部での撮影なので、つり革や 柱などによるアングル制限がある。あと、すぐそばに車道があるので、たまに焼き芋屋や救急車の音が聞こえてくるのだけど、あの辺はどう処理 するのかなぁ。意外と、指向性マイクをつかってると気にならないのかなぁ。
 さて、3日目のトピックは、なんと撮影現場に原作者のしりあがり寿や朝倉世界一氏がやってきた事である!
うーむ、生でみるしりあがり氏! タモリ倶楽部の雰囲気とぜんぜん変わらないなァ(当たり前か)


しりあがり氏とキッチュの2ショット。
しかし、こんな怪しいサラリーマンいないよなァ、自分。
庵野氏については・・・・ふふふ、背後をとったぜ!(って何が?)

 そういうわけでロケも無事終了。しかし、私のカッコ、あんな怪しいサラリーマンはいないよなァ。
ちなみに、私は最後のシーンで、しりあがり氏や朝倉氏のうしろでポカンと上を見上げる所に写ってる・・・・かも。

つきなみCOMICS 流星課長ロケ
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