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秩父龍勢祭探訪(内容サンプル) |
「できるんだ」の冒頭マンガにあるように、ワシの科学の基本にはロケット機関というものがある。
今回、ようやく「民間伝承のロケットイベント」ともいえる埼玉県秩父郡吉田町で開催されている「龍勢まつり」を見学することができた。
この龍勢まつりとは、吉田町にある椋神社への奉納としてロケット花火・龍勢を作成し10月の大祭(第2日曜日)に神社の裏山からにぎにぎしくリフトオフさせる神事なのである。
さて、この龍勢というものはどのような花火なのであろうか。それは、この断面図を見て頂きたい。
早い話、
「巨大なロケット花火」
そのものである。燃料の黒色火薬5kgを松材のケーシングにキメ込み、上部に仕掛を装着したそれは、長さ20mほどもある安定用の竹竿とともに300m以上の上空まで到達し、仕掛を開花させるのだ。ハンパな代物ではない。
現地に到着すると、そこはもう花見かお祭りかという雰囲気。で、イリーガルな見物客であるワシは申しわけなさそうに田んぼの畔に三脚を陣取りつつも、双眼鏡とデジカメにて龍勢の打上げを今か今かと待っていた。
すると、やおら「東西、トーザイ! ここに掛け置く龍の次第は・・・」と、打上げの詔が始まるではないか。なんと、この口上が龍勢の打上げ目的すなわち祈願の内容と、その仕様、さらには発射カウントダウンを兼ねているのだ。
そして、「…これを椋神社にご奉納!」という声とともに、龍勢の長い導火線に点火されるのだ。(現在は、実は定時刻に点火されるように運営されている)
ここで幸いにも龍制本体のアセンブルが良好で、設置も完璧だった場合、
「シュルシュルシュル!」
という、ちょっとあっけないような音を立てつつ龍勢は一気に300mもの高空へ上昇する。なんと、よく出来た龍勢は500mほども打ち上がるという。
そして最高地点に到達すると、仕掛けたパラシュートや煙幕等が火薬によって解放され、龍勢の奉納が完了するのだ。
とはいえ、各団体にとっては年に1回しか制作しない龍勢であるので、ほんのちょっとしか飛ばないモノ、その場で立ち消え状態になるもの(これがもっともイヤーンな状態なのだが)、派手に炸裂するものなどが多数を占める。成功率は30〜40%ぐらいというから、けっこう見物するのもドキドキものである。
ちなみに、この吉田町にある龍勢会館では、日本各地や世界各地(といってもアジアだけ)の龍勢の展示品やメイキングビデオ等を見学できる。
このメイキングは必見であろう。龍勢に火薬を装填するその方法といったら…
「樫の棒を差込んで思いっきりガンガンたたき込む」
のだから…
龍勢やぐらUP |
龍勢の自爆 |
龍勢リフトオフ |
会場のようす |
仕掛展開 |
この位置で写真撮影 |
龍勢を練歩く |
打ち上がるも、 そのまま落下 |
各升席 |
口上をのべるやぐら |
VIP観覧席 |
点火するも立ち消え |
龍勢会館展示品 |
宇宙飛行士色紙1 |
宇宙飛行士色紙2 |
龍勢の実物大模型 |
仕掛落下傘(実物) |
龍勢本体(実物) |
龍勢のノズル |
硝石抽出のようす |
抽出した硝石 |
ペンシルロケット模型 |
観覧席のけんちん汁 |
打ち上がって・・・ |
仕掛作動! |
光ものの仕掛 |
打上げ連続写真1 |
打上げ連続写真2 |
打上げ連続写真3 |
打上げ連続写真4 |
打ち上がらず仕掛作動 |
見物人のようす1 |
見物人のようす2 |
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