From: hidero@po.iijnet.or.jp
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Subject: Re: Kamikaze Kaito Jeanne #40 (12/18)
Date: 27 Jul 2001 20:36:49 +0900
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佐々木@横浜市在住です。
<9jdmdr$guu$1@news01cb.so-net.ne.jp>の記事において
keitai@fa2.so-net.ne.jpさんは書きました。
>> 石崎です。
こんにちわ。
>> このスレッドは、神風怪盗ジャンヌのアニメ版の設定を元にした妄想スレッド
>> です。そう言うのが好きな方だけに。
そんな訳で。
>> >>> ★神風・愛の劇場 第134話『配慮』
>> 三枝センセに写真を撮って貰ってスターになれた女性が沢山いるらしいので、
>> センセは多分普段から街の若い女の子には目を光らせていたのでは無いかと。
やはりソコハカとなく危ないおっさんです。(笑)
>> 人が大勢居る場所で襲撃する場合、
4.周囲全部敵。(既出)
>> …等々、色々とパターンが考えられますが、どれが良いでしょうか(笑)。
なるべくヒネりたい処ではありますね。^^;
>> ミストは知略を張り巡らせるよりは、案外力で押していくタイプだと本編では
>> 見えましたので、ある程度まろんの精神が弱まった段階で直接攻撃をかけるのか
>> なと。
であるならば大会までに何らかの前フリが無いと、今のままでは
まろんちゃんはかなり調子が良いという事になってしまいます。^^;
>> #ひょっとして、『ミスト好みの作戦』を別の意味に解釈しているとか。
# それは無いつもりだったのですが。(笑)
>> 実はこのシーンは、本妄想の現状に対する風刺なのです。
うっ…
>> #…本気にしないで下さい(笑)。
な〜んだ。(爆)
>> ># 平和だった事にしてバッサリ飛ばしてしまうという選択肢もあります。^^;
>> その選択肢を選ぶとは、恐らくは露ほども予想していない筈(笑)。
やっぱり。^^;;;
# でも奇数番エピソードでは日付がぶっ飛ぶ可能性を否定しないと
# あらかじめ宣言しておきます。(笑)
>> >★神風・愛の劇場 第135話 『囁き』
>> 三枝先生に関して用意していた話があって、それは撮影中に笑顔を見せるまろ
>> んちゃんを見て、その笑顔が作り物だと気付いてしまう…というものでした。
リミチャン… ^^;;;
>> アキコの様子から見ると、矢張りアキコはミストに隠れて何かをしようとして
>> いる模様。
自分の行動が少なからずミストの邪魔になると考えている為に
何をするにもやや臆病になってしまう傾向がある様です。
>> しかも、ミストはアキコが何をしようとしているか知っていて、敢えて放置し
>> ているように見えます。
その通りです。しかし何故放っておくのかという部分に関しては
とりあえず「作戦では無い」とだけ明かすに止めておきます。^^;
>> ツグミさんが夢の中で見た真っ赤な「何か」とは何でしょう。
何でしょう。(ぉぃ ^^;)
# 同じものをミストも見ています。
ちなみに…第135話には二号さんは出てませんので。^^;;;;;
ミストが言った「今のあいつ」とは生身のツグミさんという意味なのです。
# また失敗したらしい>第135話。
>> ★神風・愛の劇場 第136話『誤解』
稚空戻っていたんですね。用が済んだから捨てられたのかな。(違)
# 結局この日は歩き回っても収穫無かった様ですし、報われない奴。
## 良い思いした罰に違いない。(爆)
都ちゃんが同じ当事者でありながら稚空と弥白様それぞれに対する
感情が正反対なのは何となく古風あるいは和風というイメージ。
小泉八雲の「怪談」の中でエピソード外の部分にあるのですが、
浮気相手の女を責めるのが日本の女性で、男を責めるのは西洋の女性という
くだりがあるのを思い出しました。
# 多少、意訳していますが。
どうやら弥白様は自分を追い詰めているのがミストではないかと
疑っている様子。さて当のミストはそれをどう感じるやら。多分、
ああいう搦手から責める方法の黒幕と思われるのは嫌がりそうですが。
弥白様がメイドさんとの関係を少し変えてみたのは寂しさの他に
都ちゃんの助言でメイドさんの方も微妙に態度が変わっていて
それを知らず知らずに弥白様が感じ取った所為なのかも。
さて前日に引き続き都ちゃんは弥白様の許を訪れて…のはずがまたしても
失敗です。縁が無いというよりは陰謀の臭いがしますが。^^;;;
佳奈子ちゃん、敵の追い返し方が滅茶苦茶古典的です。(笑)
# では、次いきます。
★神風・愛の劇場 第137話 『意図』
●オルレアン
月曜の朝。ツグミの家から直接登校してしまう事も出来たのですが、
ツグミの傍に入り浸っている理由の半分は説明の出来ない事でした。
中途半端な言い訳をするのも気が引けます。
そこで相当な覚悟で早起きし一旦自宅に戻ったまろん。それでも都が`
迎えに来た時には仕度が終わっては居ませんでした。
まろんとしては、それはそれで普段の通りではありましたが。
慌てて玄関に出ていくと、扉の向こうには都の意外そうな顔が待ち構えています。
「何だ、居たの」
「迎えに来て"居たの"は無いじゃない」
「まろんを誘うのは単なる習慣なのよ」
「私は都の朝の儀式の小道具ですか」
「そうよ。小道具なんだから早くしなさい」
「へいへい…」
まろんは部屋に戻って必要な荷物をまとめると今度こそ家を後にします。
しかし結局、これまた何時もの様に走って行くはめになる二人なのでした。
●桃栗学園
更衣室で着替える時点では他の部員達もちらほらと周囲に残っていて、週の
始めから朝練に遅刻するという最悪の情況だけは避けられそうでした。
ほっとしたタイミングを見計らうかの様に都がまろんに囁きます。
「昨夜もツグミさんの家に泊まったんでしょ」
「え?」
「惚けなくてもいいわよ」
「…何で判るの?」
都はしてやったりという会心の笑みを見せて言います。
「警官の娘の勘」
「インチキ」
「本当はね、昨日の夜にまろんの部屋へ行ったのよ。
ちょっと遅い時間なのに留守だったから」
「ごめん。何か用だったの?急ぎなら電話してくれても」
「そんな野暮な事はしないわ」
「何よ野暮って」
「ま、いいから」
「それで何か用があったんでしょ?」
「用って程じゃ無いけど、今日の事」
「…ああ、あれね」
本当はちょっと聞いてみたい事があった都。しかし今となっては
聞いてどうなる事でもありませんでした。放っておいてもすぐに
判る事なのです。ですから都は話題を打ち切りにしました。
「それより」
「ん?」
「早く着替えなさいよ」
話し始めて手が止まっていたまろんを残して、皆はすっかり着替え終わって
いました。
*
練習の後、再び制服に着替えて教室に向かうまろんと都。入ってきた二人を
目ざとく見付けたのは委員長です。
「おはようございます日下部さん」
「おはよ」
「東大寺さんもおはようございます」
「わざわざ付け足さなくていいわよ」
「別にそういう訳では」
非難とも懇願ともとれる委員長の視線を受け流して、都は椅子に座っている
稚空の背中を見詰めました。気まずいのか単に気付いていないだけなのか、
振り向く気配はありません。では振り向かせてやろうかと口を開きかけた
都の脇から、まろんが先に言いました。
「稚空、おはよう〜」
「お、おう…」
その時の稚空の顔を見た都はきっと自分も同じような顔をしているのだろうと
想像していました。そして多分、稚空が考えている事も自分と同じなのでしょう。
何事も無かった様に自分の席に座ったまろんを目で追いながら都は思います。
「(まろん、怒ってるわね)」
そして稚空の方に目をやると、その目が語っていました。
「(やっぱり怒ってるのか?)」
「(知らないわよ)」
都は知らぬふりを決め込んで、やはりいそいそと席に着くと最初の授業の
準備を始めるのでした。
*
昼休み。外で昼食にしようと言いだしたのは都でした。場所は良く利用する
屋上では無く、校庭の一角にある芝生。朝から慌ただしいまろんは兎も角、
都も弁当持参では無いという事で稚空と委員長も含めて四人でぞろぞろと
購買部へ立ち寄ってからの昼食となっていました。
他愛無い雑談を交えての食事がそれなりに進んでしばらく経った時、
ふいに都は立ち上がると言います。
「すぐ戻るから」
そしてその場から歩きだしますが、すぐに立ち止まって一言。
「委員長、ちょっと」
ひらひらと手招きする都。理由が判らないといった顔の委員長でしたが、
それでも言われるままに都について行ってしまいました。
まろんと二人だけにされた稚空は考えます。これは都の親切なのか、
それとも…去り際の都の含み笑いが少し気になりました。
「試してんのか…」
目の前のパンの山を物色していたまろんが顔を上げます。
「何か言った?」
「いや、別に」
「あっそ」
まろんはクリームパンを手に取ると袋を破きました。
稚空が口を開きます。
「あのな」
「ん?」
「悪かった。帰りが遅くなって」
「もういいよ」
「いいって…大丈夫なのか、彼女の方は」
「目の前の危機は脱したかなってところ」
結局一人で何とかしてしまったツグミの家での出来事を、まろんは大雑把に
稚空に話ました。
「やはりそういう仕掛けか」
「どういうつもりなのかは今ひとつ判らないけど」
稚空にはツグミが狙われた理由が薄々判りました。しかし、それを
自分の口から言ってしまうのはためらわれるのです。
「それで集めた紙切れってのは?」
「そのまま置いていく訳にはいかないでしょ」
「ああ」
「それで持って帰ろうと思ってたんだけど、何時の間にか灰になってた」
「そうか」
何事か考えている様子の稚空に今度はまろんの方から尋ねます。
「山茶花さん、元気になった?」
「えっ?あ、ああ、落ち着いている」
「良かった」
「ありがとう」
「稚空の大切なひとだものね」
「ああ…って、あのな弥白は俺にとっては」
まろんは手で稚空を制して言いました。
「判ってるつもり」
「…そうか」
「でも納得出来るかどうか自信が無いの」
「…」
「だからお願いがあるんだけど」
「何だ」
「当分、その話はしないで」
澄んだ静かな瞳に見詰められ、稚空は黙って頷くだけでした。
やがてまろんの表情からふっと力が抜けて、そして控えめながら笑顔が
浮かびました。まろんは脇に置いた手提げを膝に乗せると中からひとつの
包みを取りだしで稚空の目の前に差し出しました。
「何だコレ」
一目で想像が付く代物でしたが、敢えて稚空は惚けてみたのです。
「ふ〜ん。貰い慣れているんだろうなって思ったんだけど」
「そんな事はない」
「ホラ、慣れてる」
「ぐっ…」
「じゃ要らない?」
「待て。貰う」
「じゃ、どうぞ」
ちょうど葉書程の大きさで、それほど厚みの無い箱は案外軽いものでした。
「開けていいか?」
「駄目」
「何?」
「恥ずかしいから家に帰ってから開けて」
「判った」
気にはなったものの、稚空は言われた通りそのまま持ち帰る事にしました。
その直後、都と委員長が戻ってきました。もっとも、二人のやり取りを
眺めながら近づいて来たらしく、委員長が開口一番で言います。
「日下部さ〜ん、今のは何ですか〜」
すがる様な委員長の瞳に呆れつつ、まろんは委員長にも小さな包みを
渡しました。
「はい、委員長の分」
「本当ですか!」
「うん」
「でも名古屋くんのやつより小さいですね」
「気のせいだって」
「それでも嬉しいです」
そこへ少し遅れてやって来た都。腰を下ろすと同時に教室に戻って
持ってきたらしい紙袋から包みを取り出して委員長に突き付けました。
「ホレ、大きいのが欲しいんでしょ」
「え?東大寺さんもくれるんですか?」
「何よ、文句あるの?」
「とんでも無いです。嬉しいです。2個も貰ったのは初めてです」
「言っておくけどね」
「はい?」
「それは義理チョコじゃ」
「…別に力一杯強調しなくても…」
「それから」
都は委員長の相手を早々に切り上げて、同じような包みを稚空にも渡します。
「はい。稚空にも」
「サンキュー」
更に何か言おうとした都は自分の胸元に差し出された包みを見て、それから
その包みを差し出している手とその主の顔を見ました。
「はい。都にもあげる」
「何で私がまろんにチョコ貰うのよ」
「いいじゃん。あげたいんだから」
「まぁ、いいわ。ありがと」
そんな様子を眺めながら、はたして自分の貰ったチョコは義理なのでは
無いかと疑い始める稚空なのでした。
●桃栗町の外れ
その夜。最近にしては珍しく普通の時間に帰宅した聖を全の元気な声が
出迎えました。
「お帰りなさぁい、ノイン様ぁ」
「どうしました。何か機嫌が良い様子ですね」
「はい。今日昼間ツグミお姉さんに会いました」
「会いに行ったのですか?」
「違いまぁす。暫くその必要は無いって言ったのはノイン様でぃす」
「それでは偶然に」
「ツグミお姉さんは待っていたって言ってましたぁ」
「おやおや。女性に待ち伏せされるとは男冥利につきるという物です」
「はぁ?」
「…何でもありません。それで?」
「はい。それでチョコレートを貰いましたぁ」
「そうですか。良かったですね」
「はい。それで」
「何でしょう?」
「ギリとホンメイって何でぃすか?」
「社交辞令と大勝負という意味です」
「よく判りません」
「そのうち判ります。それでどちらだと言われたのです?」
「はい?」
「まさか本命という事は無いでしょうが」
「ギリでもホンメイでも無いけどと言われました」
「成程」
「どういう意味でぃすか?」
「そうですね」
聖は少し考えてから全にこう教えました。
「これからも仲良くしましょうという意味です」
全の笑顔を見て子供は単純で良いと思う聖。それから抱えていた
ダンボール箱をテーブルに下ろすと全に言いました。
「後でこちらも食べていいですよ。沢山貰いましたから」
「中身は何でぃすか?」
再び、聖は考えてから答えます。
「社交辞令と勝負が半々…という所でしょうか」
首を傾げている全を残して、聖は着替える為に自分の部屋へと向かうのでした。
●オルレアン
約束を守った稚空は、それでも家に帰ると真っ先にまろんから送られた
包みを開きました。匂いに誘われたのか、まだ眠そうな顔のアクセスが
傍に来て覗き込んでいます。開いた包みの中には白い箱、そして箱の中には。
「オーソドックスだな」
型に流し込んで作ったらしい手のひら程のハート型のチョコレートが一枚。
稚空はそれを取り出して、そして絶句します。それを見たアクセスが
ぼそっと呟きました。
「随分と薄くねぇか」
「ああ」
「それ、人間界で言う所の義理チョコって奴だろ?」
「…判らん」
その割れ易そうなチョコレートを眺めながら、稚空はまろんの真意を
計りかねて途方に暮れるのでした。
●桃栗町郊外
夕食の仕度の真っ最中にかかって来た電話。もっともツグミにとっては
予想の範囲内の出来事でしたが。火の始末を行ってから受話器を取り上げると、
名乗るより先に相手の方からまくしたてられます。
「もしもしツグミさんツグミさんよね?何か変わったことは無い?元気?」
込み上げる笑いをこらえてツグミはなるべくゆっくり答えます。
「大丈夫、何も無いから」
「良かったぁ」
「それより、日下部さんこそどうなの?」
「えっ?何が?」
電話越しで無ければ、まろんの本当の答が相手に既に知られている事が
ツグミの表情の変化から判ったかもしれません。
「迷ってるって言ってたから」
「最初はね、稚空の顔を見たら少し意地悪したくなったんだけど」
「結局、渡したんでしょ?」
「へへ。まぁね」
「喜んでいたでしょうね」
「そうみたい。何でそんなに嬉しいのかな」
「さぁ。男じゃないから判らないけど」
「ツグミさんの方はどうなの?」
「無事に会えたわ。スーパーで」
「全くん、喜んだかな」
「喜んでくれた思う。意味は判って無いみたいだったわね」
「仕方無いか」
「今回はブレスレットを壊してしまったお詫びも入っているから」
「何か言ってた?」
「それが全然。何だか拍子抜け」
「ふ〜ん」
全がブレスレットに特別な感情を込めていないと判って、
まろんが安堵している様がツグミには手に取るように判りました。
何か付け加えて脅かしてみたい衝動にかられましたが、何とか押さえて
もうひとつ気になっている事を聞いてみます。
「それで、名古屋くんの中身に対する感想は?」
「聞いてないよ。後で開けてって言っておいたから」
「どうして?」
「だって…ねぇ」
受話器の向こう側から微かに照れ隠しの様に笑い声が聞こえます。
「練習でチョコレートを使い切ってしまうからよ。
そのうえ本命を最後にするから肝心の奴が一番薄っぺら」
「練習じゃ無いよ。最初のがツグミさんへのチョコだって言ったでしょ。
それに稚空の奴だって別に本命じゃないもん」
「はいはい。でも、型になみなみとチョコレートを濯ぐから
分厚くて噛れないわ」
「じゃ飾っておいて」
「また溶かしてケーキでも焼こうかしら」
「駄目〜」
「ならハンマーで叩き壊して食べようかな」
「それも嫌〜」
それから暫く、まろんとツグミは互いに今日一日の事をあれこれと
語り合い、楽しいひとときを過ごしたのでした。
(第137話・完)
# 多分、某所の呟きメモはこの事なのでせう。(謎)
## 一部の方々を除き2月14日終り。^^;
### 別件の依頼の方は鋭意悩み中。(ぉぃ)
では、また。
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■■■■■■ 佐々木 英朗 ■■■■■■■
■■■■ hidero@po.iijnet.or.jp ■■■■
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