神風・愛の劇場スレッド 第93話『自信』(12/1付) 書いた人:佐々木英朗さん
 HOME 記事一覧 前の記事へ 次の記事へ
From: hidero@po.iijnet.or.jp
Newsgroups: japan.anime.pretty,fj.rec.animation
Subject: Re: Kamikaze Kaito Jeanne #40 (12/18)
Date: 1 Dec 2000 12:46:45 +0900
Organization: Infonex Corporation
Lines: 390
Sender: nnposting@infonex.co.jp
Message-ID: <9076v5$ack@infonex.infonex.co.jp>
References: <8tgfa9$bdc$1@news01cd.so-net.ne.jp>
<8tugu1$o6u@infonex.infonex.co.jp>
<8uoco9$bvj@infonex.infonex.co.jp>
<8v7r9b$kb2$1@news01bh.so-net.ne.jp>
<8vl57g$77d@infonex.infonex.co.jp>
<8vo5eb$rfj$1@news01cb.so-net.ne.jp>

佐々木@横浜市在住です。

<8vo5eb$rfj$1@news01cb.so-net.ne.jp>の記事において
keitai@fa2.so-net.ne.jpさんは書きました。

>> 石崎です。

こんにちわ。

>> このスレッドは、神風怪盗ジャンヌのアニメ版の設定を元にした妄想スレッドで
>> す。その手のが好きな人だけに。

ですです。

>>  そうですね、一緒に買って、まろんちゃんの部屋で実際につけて見せっこして、
>> それから…という妄想は如何?

それは番外編か回想シーンのネタ向きですね。*^^*

>> >変な町並みは普通の部分が古くから在る町の部分で、
>> >中世風の部分が計画的に作られた新興地域という事で。^^;
>>  あ、そういう考え方もありましたか。
>>  幕末に開港した港町で、外国人居留地があったみたいないめぇじで妄想してい
>> たのですが。

もっと拡大(誇大)妄想して、ぢつわ現代じゃないというのも。(笑)
未来の何処かの新興都市。古い町並みは景観保存の為に移築したのです。
# ちなみに1月のカレンダーが次に今年と一致するのは2005年、
# 閏年まで含めて一致するのは2028年です。案外、近未来。^^;;;

>> >>> >>> >>> ★神風・愛の劇場 第85話『団欒』
>> >地下室とか皮製品とか鎖とか…。(爆)
>>  そう言えば、弥白の山荘にそんなのありませんでしたっけ。
>> #誰が誰に使っていたんだ(爆)。

自分でちょっと試して。(爆)
# 実際は集めてみただけでしょうけど。^^;

>> >>> >★神風・愛の劇場 第88話 『陽光』
>> >その為には都ちゃんにはもう一度試練を受けてもらわないと。(鬼 ^^;)
>>  また「見て」しまうんですね(爆)。

もうバッチリと。(悪魔 ^^;)

>> >>> >★神風・愛の劇場 第89話 『無彩色』
>> ントとか用意している心の余裕は無かったのかも。その日の夕刻は、三枝先生の
>> 家にみんなで押し掛けていましたし、やはり誕生パーティーとかやったという雰
>> 囲気でも無いですねぇ。
>> #酷いなぁ、みんな(違)。

# 本当に酷いのは私達。^^;;;;;;;;;

>>  確認できないのが主たる理由であるとすれば、確認してくれる人がいれば、
>> 色々と着ることが出来るのかも。

下着は確認したがりそうな人物が約1名。(笑)

>> >>> ★神風・愛の劇場 第90話『記録』
>>  今回も微妙な位置で終わっているような(笑)。

振られてますなぁ。^^;

>>  仕事用の回線を連絡先にしていたという設定。
>>  そちらにはFAXもついていたので。

そうですか。ISDN移行の時に番号変わったのかと。
# 辺鄙な家は同番移行できない時期が昔ありましたよね。^^;

>>  昼間もパスタで夜もマカロニグラタンとパスタ系統を続けてしまったのが反省
>> 点。自分がマカロニグラタンが好きだからというだけの理由で決定されたのです
>> が(汗)。

石崎さんが書かなくても私も夕食はグラタンになる予定でした。
# 折角身をもって試したのですから、成功例も書かないと。(謎)

>>  まろんちゃんは、結局自分の両親に対する願望(両親は本当はお互いを心から
>> 嫌いになった訳ではない)をツグミさんの両親に対しても押しつけてしまった形
>> になってしまいました。

とても「らしい」まろんちゃんです。

>> >★神風・愛の劇場 第91話 『初体験』
>>  フィンの気配に気付いたらしい委員長ですが、委員長の方とフィンの方と、ど
>> ちらに原因があったのかな。

前にもフィンの飛んでいる音がツグミさんに聞こえたり、フィンとアクセスの
レクリエーションが音だけは一般大衆に聞こえていたりしましたので、
姿は見えなくても音はするという事で。

>>  天使があくまで形あるものを求めると言うのは、出自と関係があったりするの
>> かな。

成程。(書いた方が納得してどうする ^^;)

>>  そして、アキコをかなりはっきりと目撃してしまった委員長。
>>  それだけならまだしも、委員長に囁いたのは一体誰なのか。
>>  常識的に考えればミストですが、一体何のために? 謎が謎を呼ぶ展開です。

ミストは以前とり憑いた事があるので委員長の趣味を知っていますから、
折角晴れて目撃者になろうというのに気の所為で済ます事は無いだろう
という親切心から発した言葉です。
# 本当は単なる悪戯。^^;

>> ★神風・愛の劇場第92話『鈍感』

しかし、委員長さっそく記事書いたんですね。
「この感動をリアルタイムで伝えたい!」(by ちあき@NieA_7)
という事でしょうか。何か人事とは思えない。^^;
その後も頻繁に目撃されてしまうアキコ。どうもミストに言われた事の
コツが飲み込めない様子です。まろんちゃんと出会う日も近いか。(笑)

そうですか、桐嶋先輩というのですか、スレンダちゃんは。*^^*
都ちゃんはじっと見詰めているまろんちゃんをみてヤレヤレと
思った様ですが、まろんちゃんは一度隅々まで見てますからね。
思い出していただけかも。(爆)
# 霧島マナってのは何処かに居ましたけど、関係やいかに。^^;

稚空の迷推理は今度ネタにさせて頂きます。^^;
二重身にはわりと有名な話(見た者は云々という奴)があるのですが、
委員長は知らなかったみたいですね。
いずれ本の続きを読んで知った事にしておきますか。
しかし、委員長まだ気付いてないのか。(笑)

先送りしていた事についに立ち向かう決意を固めた都ちゃん。
な〜んかメールで私語というのは身近な所で頻繁に起こっている事象の
様な気がして仕方ありませんけれど、きっと間違いなく気の所為でしょう。^^;

# では振られたネタは買いましょうという事で。(笑)


★神風・愛の劇場 第93話 『自信』

●桃栗学園

放課後、部活の練習に出るために着替えている都とまろん。服を脱ぎながら、
都は午後の授業の最中に委員長と相談した事をまろんに話しました。
話の途中から、まろんは着替えの手を止めて聞いていました。

「でさ、後で行くからって言っといて」
「う〜ん…」
「気に入らないようね」
「そういう事じゃなくてさ」
「私だって気は進まない。でもね」
「判るけど、わからないよ。聞かないと駄目なのかな」
「後回しにしても仕方無い事だから」
「…」

着替え終わって、さっさと出ていってしまった都の背中を見て、
やっと着替えを再開したまろんでした。

●桃栗町郊外

途中で待ち合わせて、都と稚空、そして委員長がツグミの家を訪れたのは
結局夜7時半過ぎでした。余計な気を使わせない様に、それぞれ夕食を
済ませた後に出向くことにしたのです。
まろんにもその事は告げてありましたから、ツグミとまろんも夕食後の
片付けを終えて、くつろいで待っていたのでした。
まろんがテーブルを囲んだ四人と自分の分の紅茶を注ぎ終わるのを待って、
最初に口を開いたのはツグミです。

「さてと、何時でもいいですよ」

都が稚空の方を見ると、稚空はカップに口をつけたままの格好で小さく
頷きました。都は返事の代わりに、ふっと息を吐いてから言います。

「ツグミさんに見てもらいたい物があるのよ」
「あんまり楽しい物じゃないのでしょう?」
「まろん、話した?」
「ううん…」
「何となくそんな気がしたから」

ツグミはカップの縁を指でなぞりながら答えました。

「まろんがツグミさん相手にとぼけられるとは思ってなかったけどね」
「ふんっだ」
「気にしなくていいですから、どうぞはっきり言ってみて」
「判った。実はね」

都は淡々と、昨日までに判った事。特に首輪に関して調べた事を
ツグミに詳しく話しました。微動だにせず、最後まで聞いたツグミ。

「…という事なの。それで、もうツグミさんに聞くのが良いと思って」
「私がこの家に住んでから、もう10年越えていますから。5年前にその首輪を
 買ったのは恐らく母でしょう。前の首輪が通販だったとは知らなかったけれど」
「えっ?前の?」
「ええ、古いのが切れてしまって。去年、買い替えたの。同じものだけど」

まろんがはっと顔を上げて言いました。

「ああ、そうだよね」
「何でまろんが納得するのよ」
「え?あ、前に聞いたの忘れてたから」
「あっそ」

再び、都はツグミに向かいました。

「新しい方も同じ物……、なのよね?」
「そうね。多分東大寺さんの考えで、間違い無いでしょう」
「え?」

都だけでなく、皆がツグミの顔を見詰めました。

「でも、まだ」
「いいわ、確かめましょう。見せて」

都は再度借り出して来た首輪を袋から取り出してツグミに渡しました。
今度は買い主かも知れない人物に確かめてもらう為として、正式に
許可を得て借りてきています。
ツグミは受け取った首輪を撫でる様に触ってから、金具を何度か
付け外す動作を繰り返しました。不安そうに見詰める、まろんと都。
委員長もまた、じっと見詰めるだけ。稚空は腕を組んで目をつぶっています。
やがて、落ち着いた態度のままのツグミを見て皆が安堵した頃。

「これはイカロスの首輪。間違いないわ」

実のところ、一番その答えを聞きたくなかったのは都でした。
ですから、ツグミの答を聞いて返事に困ってしまいました。
代わりに聞き返したのは稚空。

「確かなのか、その、何だ」
「自信?」
「あ、ああ」

「無いわ」
「それなら、間違いかも知れないだろ?」
「生きていて欲しいって思っていた。だから、信じたくない。
 そんな私の気持ちが嘘をつかせようとする。これは別の首輪だって、ね。
 だから半分の自信でも、それは真実なのよ」
「無理しなくていいんだぜ」
「平気。それにこの首輪、毎日触っていたのよ」
「それじゃ」

やっと都が言った一言にはツグミは黙って頷き返しただけでした。
そして今度はツグミから尋ねます。

「イカロスは、今何処?」
「それは…」
「…もう、首輪しか残っていないのね」
「御免なさい…」
「ううん。東大寺さんの所為じゃないわ。気にしないで。それで」
「何?」
「首輪は返してもらえるの?」
「あ、うん。でも手続が要るから一日待って」
「ええ」

そうは言ったものの、ツグミは名残惜しそうに首輪を触っていました。
まろんはそんなツグミの手に自分の手を添えました。と、その時。

パンッ!

「きゃっ!」

ツグミとまろんは揃って手を引っ込めました。ツグミの手を離れた首輪は
テーブルの上を跳ねてまろんの前に落ちました。
都が非難する様な目をまろんに向けて言います。

「何やってんのよ」
「御免、ツグミさん、痛く無かった?」
「平気よ、ちょっと吃驚したけど」
「静電気かな」

やはり、まろんをじっと見詰めながら稚空が呆れたように言います。

「まろん…」

まろんには返す言葉も無い様子でした。
それでも、テーブルの上で恐る恐る手を延ばすと首輪を拾おうとしたのですが。

バチッ

再び空気が鳴って、首輪がまろんの手から離れて行きました。
都は目の前に戻ってきた首輪を取り上げると、まろんに白い目を向けます。

「まろん、随分乾いているわね」
「…うん」

それから都はツグミに聞きました。

「もう一度、手に取って見る?」

ツグミは躊躇なく応えます。

「いいえ。いずれ戻ってくるのだから、待ちます」
「そう。それじゃ、預って行くから」

都が首輪を袋に入れ、持ってきたバッグに仕舞うと、誰言うともなく
皆が席を立ちます。玄関まで見送りにでたツグミとまろん。
都と委員長の姿がどんどん遠ざかる中で、稚空だけが玄関ポーチを
降りた所で手招きしています。まろんはサンダルを履くと降りて行きました。
傍に来たまろんに稚空が囁きます。

「さっきの…」
「うん。判ってる。何か変だね」
「今回の事、奴等が絡んでいるのか?」
「もしかしたら。首輪がツグミさんの所に戻ったら、もう一度試して見るよ」
「判った」

そして稚空も二人の後を追って帰って行きました。



夜道を行く三人。委員長がどちらへともなく言います。

「案外、冷静に受け止めてくれましたね」

都が振り向いて言いました。

「だから怖いんでしょうが」
「はぁ?」
「泣き叫んでもらった方がまだ健全なのよ。もっとも、ツグミさんが
 私達の前でそんな事にはならないだろうとは思っていたけど」
「それじゃ、今頃は」

稚空が応えます。

「それならいいが。多分、違うだろう」
「そうね。予想外に反応が無かったから、やっぱり現実味が無いのかも」
「そういう事ですか…」

そのまま無言で少し歩いてから、再び誰にとも無く呟く委員長。

「不謹慎な言い方なのは承知してますが、
 こんなはずじゃ無かったという気分です」
「仕方ないでしょ、事実なんだから」
「そうなんですけど、何か漠然と、イカロスが多くの人の協力で
 無事に見つかって、瀬川さんの許に帰ってめでたしめでたし。
 そんな結末を勝手に想像して、はしゃいでいた気がします。
 僕って勝手な奴ですよね」
「委員長だけじゃ無いわ…」
「ああ」

その後は、それぞれ家に帰るまで誰も何も言いませんでした。



三人が帰った後、まろんはツグミと共にソファに座っていました。
じっと見詰めているまろんにツグミが言います。

「本当は心の何処かで、もう死んでいるかもって思ってたのね」
「そんな事…」
「結論から逃げ切れなくなったって事かしら」
「…」
「おかしい、って思っているのでしょう?」
「ううん」
「私もおかしいって思うわ」
「…」
「何故か涙が出ないのよね」
「それはショックが大き過ぎたからだよ」
「悲しくない訳じゃないのよ、とてもつらい。でも泣けないんだなぁ」
「…私が居ない方が、いい?」
「あ、そういう事じゃ無いの。独りになっても泣かないと思う」
「ツグミさん…」

まろんは自分の声が震えてしまった事を恥ずかしく思いました。
そんな思いが届いたのかどうか、ツグミは両手を広げて言います。

「来て」

まろんは黙ってツグミの胸に顔を埋めました。背中に廻された
ツグミの手がそっとまろんを抱きしめます。

「昔からなのよ、私」
「何が?」
「母が亡くなった時もね、私泣かなかったの。父が駆け付けて来て、
 私を見て驚いていたくらいだから。きっとショックを受けて放心状態だと
 思ったのね。何度も何度も抱きしめて色々話しかけて来たわ。
 それからお葬式があって、一緒に暮らそうって話になって大喧嘩よ。
 言ってやったの、"用が済んだら早く帰って"って。
 それからイカロスと二人で暮らし始めて、あっと言う間の一年。
 一周忌の法要でまた父と大喧嘩。
 お寺から戻ってきて、母の部屋に入ってみて、初めて泣いたのがその時なの。
 涙が出てくるまで一年よ。私、鈍いのかもね」
「…」
「イカロスの事で泣けるようになるまで、また暫く時間がかかると思う」
「…そう…」
「だからね、あんまり心配しないで」
「うん…」

二人はそのまま随分と長く抱き合っていたのでした。

(第93話・完)

#「神の手」(謎)の解釈を二つ思い付いてしまったので、
# 両方採用しました。^^;;;

では、また。

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■■■■■■ 佐々木 英朗 ■■■■■■■
■■■■ hidero@po.iijnet.or.jp ■■■■
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
 HOME 記事一覧 前の記事へ 次の記事へ

 記事に対するご意見・ ご感想などがありましたら書いてやって下さい
 名前: (ハンドル可)
 E-Mail: (書かなくても良いです)

 ご意見・ご感想記入欄