From: hidero@po.iijnet.or.jp
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Subject: Re: Kamikaze Kaito Jeanne #40 (12/18)
Date: 24 Nov 2000 16:26:40 +0900
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佐々木@横浜市在住です。
<8v7r9b$kb2$1@news01bh.so-net.ne.jp>の記事において
keitai@fa2.so-net.ne.jpさんは書きました。
>> 石崎です。
こんにちわ。
>> このスレッドは、神風怪盗ジャンヌのアニメ版の設定を元にした妄想スレッドで
>> す。その手のが好きな人だけに。
そういう事でよろしくです。
>> 勝負用だとしたら、都ちゃんと一緒にショッピングに出かけて思い切って買っ
>> てみたものの、着るに着れずにいた一品という設定が良いかな。
という事は、都ちゃんも凄いのを持っている可能性あり。(爆)
>> ツグミさん相手なら見えないから着られると(笑)。
と思って着けてみたら、触られて「大胆ねぇ」とからかわれる訳ですね。^^;
>> してみるとやっぱり関東にあるんですね(本当か?)
町並みが中世ヨーロッパ風の所と、普通の住宅地/商店街っぽい所が
混ざっているので所在地が謎なんですよね。(笑)
で、個人的な解釈としては。
1)海に面しているが、街から少し離れるだけで海岸線は崖である。
2)比較的温暖らしい。
3)平坦な土地は少ない雰囲気。
等の事を勘案すると房総半島、若しくは三浦半島の南端部分が怪しいです。(笑)
変な町並みは普通の部分が古くから在る町の部分で、
中世風の部分が計画的に作られた新興地域という事で。^^;
>> >>> >>> ★神風・愛の劇場 第85話『団欒』
>> 現在の状況は「調教中」という事にでも。
>> #何か嫌らしい響きだ→調教。
地下室とか皮製品とか鎖とか…。(爆)
>> >>> ★神風・愛の劇場 第87話 『伝達速度』
>> モスグリーンの服は、以前アキコが人間の中に魂を入れられた話の時に、後で
>> 「着替えた」服です。
ネタを活用して頂き有難うございます。^^v
>> #ちゃんと毎日「着替えて」いるらしい(笑)。
# 簡単な事は長続きしますから。^^;;;
>> >★神風・愛の劇場 第88話 『陽光』
>> そうですか、二人は毎晩『運動』しているんですか(爆)。あれはあれでかな
>> りカロリーを消費するらしいのですが(違)。
そりゃあもう、二人で絡み合って色々。(爆)
>> 現在の状況だとまろんがツグミの家から離れる事が出来ず、自ずと展開に制約
>> があったのですが、丁度良い留守番役が見つかった模様。ただ、委員長だと何も
>> 無いとは判っていても、二人切りにして置いておけないのが難点かな?
留守番を立てるのは半自動的にツグミさんを連れ出す場合でしょうから
多分問題無いと思います。
>> そしてそして、幽霊の正体に何かを感じている都ちゃん。彼女は以前の話であ
>> る事実を知っている筈なので、正解に近づく日はそう遠くないのかも。
その為には都ちゃんにはもう一度試練を受けてもらわないと。(鬼 ^^;)
>> >★神風・愛の劇場 第89話 『無彩色』
>> まろんちゃんがピーマンが嫌いという原作版の設定、ご存じでしたか(汗)。
>> 知らなかったとすれば凄いリミチャンです。
食い物ネタを書き出した前後に原作系サイトを徘徊して調べました。^^;
登場人物の個人情報はなるべく矛盾させたくないので。(あくまでもなるべく)
# それと関連しての最近の失敗は、都ちゃんの誕生日に何もイベントが無く
# 過ぎてしまった事。可哀想な事をしました。
>> 余談ながらアニメの第14話でのまろんの買い物の中にピーマンが入っていた
>> ので、原作設定的にはこの描写はおかしいのかも。
誰かに食わせたという事かも。(笑)
# 自分では食わないが、料理には入れるという人は結構居るでしょうから。
>> そうですか、ツグミさんの下着は黒で統一されているんですか。この歳にして
>> はちょっとどころでなく珍しい。
ツグミさん自身も言っていますが主に重ね着の都合です。
もっとも、透けているかどうか確認出来ないので、大事をとって
同じ系統でまとめているという辺りが真意なのですが。
>> 初めて目にした時のまろんちゃんの驚きが目に浮かぶようです(笑)。
「えへへっ(は〜と)」と思ったのではないかと。(爆)
>> ★神風・愛の劇場 第90話『記録』
情報は力という訳ですね。^^;
一度は否定された首輪の主の正体、販売経路の追跡によると
近隣ではイカロスだけとなっている矛盾。さて素人捜査官の推理は。
# という所で終わっているのがまた。(笑)
# 住所は同じでも電話番号が替わっているという事ですと、アレかな。
# それとも連絡先は勤務先とかだったのかも。
結局晩飯までご馳走になったらしい委員長。昼のクリームソースパスタと
夜のグラタンの関係には気付いたのでしょうか。(笑)
ツグミさんがそういえば父方の姓のままだったのは今回の話まで
まるで意識せず。(ぉぃぉぃ)^^;;;;;
別居しているのに貴重な蔵書がそのままという事に関しては、いずれ触れる
必要があるだろうとは思っていました。まろんちゃんが突っ込むとは
思いませんでしたが、委員長がその価値を話した後であれば当然感じる
疑問でしょうね。ほとんどの事柄において、まろんちゃんには包み隠さず
話すツグミさんでも、父上ネタではまだ抵抗がある様子。仕方無いですね。
# では次行きます。
★神風・愛の劇場 第91話 『初体験』
●桃栗町郊外
すっかり陽が暮れた後のうえ、人家がまばらな為に街灯もあまり
密には立っていない道でしたから、少々気味の悪い事は確か。
しかも独りで歩いているのですから尚更嫌な雰囲気ではあります。
ちょっと遅くまでお邪魔し過ぎていたかと思いながら、家路を急ぐ
委員長なのでした。緩やかな下りを歩いていると、やがて町中の
灯りが近づいてきました。そんな時。
「あれ?」
ふと立ち止まり空を見上げる委員長でしたが、夜空には雲も無く
明るい星がちらちらと見えているだけです。
「夜鷹って奴でしょうか…」
翼を羽ばたかせる音が聞こえた気がしたのですが、それらしき影が
見える事はありませんでした。
●オルレアン
辺りを注意深く伺った後で、ふわりとベランダに舞い降りたフィン。
鍵の掛かっていない窓から部屋に入ると灯りを点けてソファに寝ころがります。
それから一枚の灰色の羽根を天井にかざす様にして覗いているのでした。
「今日も帰らないつもりね」
予想通りだわ。そう結論付けると勝手に冷蔵庫や戸棚を漁って食事を
済ませます。習慣の様に。ただし、嫌がらせとして後片付けはしません。
食器やら冷凍食品の空き箱やらは放り出しておきます。
もっとも、昨夜散らかした分が片付いている所を見ると、家主は昼間にでも
一度戻った様子でしたが。
「そう言えば」
フィンは帰ってくる途中で眼下に見た人影の事を思い出していました。
意識して見せようとしなければ人間には自分は見えないはずでしたが、
真っ直見上げていた事だけは少し気になりました。
「真上で羽ばたいたのはマズかったかしら」
そんな事をひとりごちながら再びリビングで寝ころがっていると、
感覚を刺激する何か、静電気に依って身体の毛がざわめく時にも似た
空気が揺らぐような気配が近づいてきました。
寝ころがったままで、身体をひねって向きを変えます。
部屋の隅の床からミストの顔が半分だけ生えていました。
フィンは面倒臭そうに声を掛けます。
「何か用?」
鼻の辺りまでしか出ていないのに、ミストの声は普通に届いて来ました。
「すっかりアンタの家になってるな。独りで寂しくないか」
「清々するわ」
「こっちは困っている」
「はぁ?私が近くに居ると困る事でも?」
ミストはそのままするすると床から抜け出て、一度数十センチ程
浮き上がってから、また床の上に足を着けました。音も無く。
「そうじゃない。私がわざわざ真下に住んでいるのはジャンヌの動静を
知るのに便利だからだ。それなのに毎日留守では意味がない」
「何処に居たってミストには見えるんじゃない」
「透視だけでは判らん事もある」
「例えば?」
「ジャンヌがどんな夢を見たか…とか」
「それが何になるって言うのよ」
「色々さ」
ふん、と鼻を鳴らすフィン。そして言います。
「なら、あの犬を返したら?そうしたら、まろんは戻るでしょうよ」
「ふむ。それは一理あるな」
「返す気は無しって感じね」
「まだ飽きていないんだよ」
「あなたも飽きないみたいね、形の無い物相手に」
「では、アンタは触れられる相手が望みか」
フィンは勢い良く身体を起こすと語気荒く言い放ちました。
「何が言いたい!」
再びミストの姿が床に沈み始め、頭が消える直前に声がしました。
「別に」
消える間際のミストの顔に浮かんだ笑顔。それがフィンの神経を
逆撫でしましたが、投げ付けてやろうかとクッションを掴んだ時には
もう気配は完全に消えてしまっていました。
*
自分の張った気配を消す為の結界の中、すなわちまろんの部屋の真下の
部屋に身体が完全に入った事を確かめてから、ミストは呟きます。
「これはこれで堕天使めの動静を知るのには役立つ」
天井に向けていた視線を下ろすと、真正面に居たアキコがじっと
ミストを見詰めていました。
「どうした?」
ミストはアキコの傍に行くと、頬に手を当ててそこから髪をかき上げます。
幾度も繰り返していると次第にアキコの瞼が下がってきて、やがて
目を閉じました。耳元に顔を近付けて囁くミスト。
「そろそろ私達の時間だな」
部屋からミストの姿が再び消え、アキコが続き、最後に黒い影が従いました。
●桃栗町内
住宅街を抜ける裏通りを行く委員長。細く入り組んだ道に自分の足音だけが
響いていました。まだこの時間なら多少は賑やかな表通りを通らなかったのは
一刻も早く自宅に帰りたかったからなのですが、失敗したかなと思わないでも
ありません。もっともそれは。
「一日中、超常現象の本を読んでいた所為です」
と、わざと声に出して言ってみたりします。自分に言い聞かせる為。
何故かいつもより恐ろしい気がしました。良く知っているはずの道なのに。
脇道の闇などにも視線を向けない様に気を付けながら、前だけを見て
ただひたすらに歩いていきました。運河をまたぐ橋のアーチが視界の先を
塞いでいます。橋の真ん中、アーチの頂まで来たときにそれが目に入りました。
思わず立ち止まって凝視してしまう委員長。
欄干に何か青白いものが乗っていました。布団を乾してある様にも
見えましたが、それにしては欄干の上の部分が大き過ぎました。
そして決定的に違うのは、それがもやもやと動いている事。
「霧です、多分…」
じっと見詰めている委員長。不思議なことに歩き過ぎてしまおうという
気にはなりませんでした。そして本当は一瞬だった時間が長く過ぎた後。
それは人の姿なのだと突然に理解出来たのです。運河の方に足を下ろして、
欄干に座っている人影。やがてはっきりと服装までが判り始めました。
暗めの赤のジャンパースカートに白いブラウス。だからきっと女性…。
そう思った途端に、今まではっきりしなかった顔形までが鮮明になりました。
水面を見下ろしている大きな瞳の横顔。きっと同じくらいの歳の女の子です。
でも何か変だと感じたのです。絶対そこに居ないはずだったから。
「まさか、日下部さん?」
思わず声が大きくなり自分でも驚いてしまった委員長。
しかし驚いたのは相手も同じだった様です。彼女もこちらを見ていました。
そして慌てた様に立ち上がると、逃げるように歩きだしました。
真っ直に。運河の上を。その時の委員長はそれが、その場所で足を
投げ出していた側に立ち上がれた事が変だとは気付きませんでした。
やがて数歩歩いた後で姿が徐々に消え始め、やがて何も無くなってしまいました。
我に返った委員長は傍の欄干から身を乗り出して下を覗き込みました。
落ちたのでは無いかと思ったのです。
ですが何も見えないばかりか、何かが落ちたような水音もしません。
心臓の音が高鳴っているのが判りました。今のは何だったのか。
頭が混乱していて、その時は知っていたはずの噂の事すら忘れていました。
ただ、今見た姿と消える様だけが何度も頭の中を巡っていました。
気を落ち着かせる為にと自分自身の中の誰かが用意した結論は一つ。
「き、気の所為です。見間違いです」
その呟きに、答える者がおりました。
「本当に見間違いだったのか?」
耳元で囁いたその声は、はっきりと、確かにそう言いました。
間違いなく、自分以外の誰かの声です。
限界に達した糸が切れて、委員長は一声叫ぶと一目散に走り出しました。
●桃栗町郊外
リビングに戻ってきたまろんは、電話の受話器を置いた所だったツグミに
聞きました。
「電話、誰からだったの?」
「水無月さん。日下部さんは居ますか?って」
「何だ、私に用だったんなら出たのに」
「それなんだけど、居ますよって言ったら、それならいいですって」
「何それ」
「さぁ?」
「明日聞いてみようっと」
首を傾げながら、まろんはそう言うのでした。
(第91話・完)
# という訳で今回も着替えてみました。(笑)
では、また。
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■■■■■■ 佐々木 英朗 ■■■■■■■
■■■■ hidero@po.iijnet.or.jp ■■■■
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